12月17日午前10時20分頃、大阪市北区曽根崎新地の雑居ビル「堂島北ビル」で、火災がありました。
火元は、8階建てのビルの4階部分にある心療内科と精神科などが専門の「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」とみられています。
この火災で27人が心肺停止状態で救助され、現在は24人の死亡が確認されています。
現在、放火の疑いがあるとみて捜査されています。
ここでは、大阪火事と原因、京アニ放火殺人事件との類似性、西梅田心と体のクリニックの西澤弘太郎医師と放火犯の関係などをまとめていきます。
谷本盛雄のFacebookを調査「仲間に入れてもらえない」大阪北新地ビル火災
大阪火災と京アニ放火殺人事件の共通項「逆恨みか」「ビルの防災管理に問題か」
大阪北新地ビル火災では、30分で消火されたにもかかわらず多数の犠牲者が出てしまいました。
このように多くの犠牲者が出た火災は、過去にもありました。
「京都アニメーション放火事件」
建物内にいた社員70人のうち36人が死亡、32人が重軽傷を負った。
ガソリンをまいて火をつけたとして、青葉真司被告が逮捕された。
殺人事件の犠牲者数としては平成以降で最悪とされる
報道によりますと、60代くらいの男性がクリニックに持ってきた紙袋から液体が漏れて、引火したとあります。
一瞬にして大きな被害があったことから、京都アニメーション放火殺人事件類似の可能性がある
心療内科に通う何者かが追い詰められて火をつけたとか?
想像通りで何かの逆恨みかもしれない。
メンタルクリニックのお医者さんも命がけですね
記憶に新しい京アニ放火殺人事件のように、逆恨みか何らかの目的で、ガソリンのような液体をまいたのではないかと話題になっています。
大阪火災の放火犯は、「逆恨みの疑い」「ガソリンのような液体」を使ったことから、京アニ放火犯の青葉真司と類似しているといえます。
また、ビルの構造上の問題でも京都アニメーション放火殺人と状況が似てるのではないかと言われています。
エレベーター無し、内階段だけ
入り口で放火されたら終わり
逃げ場所がなく煙突効果でしかなさそうなビル
京アニ放火殺人事件ではガソリンが使われ、有毒なガスが一気に充満し、非難が困難になった
有毒物質を含む燃焼ガスは、らせん階段を伝い上階に到達、2分後には3階建ての建物全体で避難が不可能な状況に陥った。
ガソリンや灯油などによる火災では熱と煙が急速に広がり、「煙に視界を奪われて避難できなかったか、高濃度の一酸化炭素を吸い込んで短時間で死に至った可能性がある」と推察する。
「鉛筆のように細い『ペンシルビル』では階段が一つしかないことが多い。出火が階段に近い場所なら、避難は困難だ。
大阪北新地ビル火災では、建物の構造などが京都アニメーションスタジオ放火殺人と同様に、「ガソリンや灯油などの液体で熱と煙が一気に広がり非難出来なかったか、高濃度の有毒ガス、一酸化炭素を吸い込んでしまい死に至った」という状況が似ています。
また、京アニ放火殺人事件とは別に、事件性はないが大きな犠牲者の出た歌舞伎町雑居ビル火災もあります。
不特定多数が出入りし、狭いフロアに店舗などがひしめく雑居ビルの火災は消火活動が難航し、大きな被害がでやすい。
平成13年9月には、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルから出火し、計44人が一酸化炭素中毒などで死亡。雑居ビルのずさんな防火管理が被害を拡大させた
歌舞伎町の火災では、防火管理がずさんだと報じられていました。
今回の大阪北新地ビル火災のビルでは定期的に防犯設備の点検もされていると報じられていましたので、ビル管理のずさんさの問題ではないことがわかりました。
但し、ビルの構造上、「煙や熱が広がりやすい」「逃げにくい」という問題があることが再確認されましたので、今後、雑居ビルなどの防災管理を見直さなければならないのは明確です。
ガソリンを使った放火は威力が大きく、強固な殺意があった可能性が高いとみられる。
気化したガソリンに引火すれば炎は爆発的に燃え上がり、手がつけられなくない。
一般的な消火設備・用具はガソリンに引火した火災を想定しておらず、対処できない。
京アニのスタジオはスプリンクラーの設置義務夫の対象外で設置されていなかったが、消防関係者によると、消火器などはガソリン火災に対して何の役にも立たないという
今回の大阪北新地ビル火災は、京アニ放火事件と同様、ガソリンなどを使った放火の為、威力は大きく、既存の防火設備や建物の構造が改善されたとしても、被害は逃れられなかったかもしれません。
しかし、それでも、私たち1人1人の意識で、被害を最小限に食い止めるために出来ることがあるのではないでしょうか。
京アニ放火事件で多数の死者が出てしまったのは、ガソリン放火の他に、1階から3階までを貫く、らせん階段があったこと、そして「区画」されていなかったため、火の手が回るのも、煙が充満するのも極めて早かった。
本来、オフィスビルやマンションなどは、防火シャッターや防火扉によってスペースを区切り、火の手が急に広がらないようにするが、京アニスタジオのように、「不特定多数の人が訪れる場所ではない」「危険物を扱うような業務内容ではない」理由で、ゆるめの基準が適用され、吹き抜けた形状のらせん階段もOKが出たのだろう。
らせん階段とは別に屋上につながる階段が建物内にあったにもかかわらず、屋上に抜けるドアから外に出られなかったのは、ドアが開かなかった為と考えられる。
自分たちが注意すべきこと
- 防火扉の前にはぜったいに物を置かない(扉の前に物を置いて正常に作動せず大火災になった例が多数あり)
- 避難通路に可燃性のモノを置かない(可燃性のモノを置いたばかりに火の粉が回ってしまい、逃げられなかったケースあり)
- 日々の点検をする。
- 避難訓練では、避難経路を確かめ、防火扉、防火シャッターの場所を確認する、非常時のシミュレーションをする。
- 煙対策。もし不幸にして火災に遭遇してしまった場合、ビニール袋を口にあてて、袋の中で呼吸する。これで数分は持ちこたえられるので、逃げるための時間稼ぎに有効。 不測の事態に備えて、ビニール袋を折りたたんで持ち歩くと良い
本当は、このようなことを無くすことが一番大事ですが、やはり「自分は大丈夫」ではなくて、防火にしろ防犯にしろ、いざ不測の事態が起きたときに「自分は動けばよいか」ということを意識していくことが大事です。
谷本盛雄のFacebookを調査「仲間に入れてもらえない」大阪北新地ビル火災
大阪火事放火犯と西澤弘太郎医師の関係
大阪火災の放火犯は、火元である「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」の院長、西澤弘太郎(にしざわこうたろう)医師に対して、「逆恨みか」との声があります。
それは、院長の西澤こうたろう医師が問題なのではなく、「西梅田こころとからだのクリニック」が、心療内科や精神科が専門ということで、世間が敏感に反応しているのが理由です。
患者が犯人だったらもう刑罰に処せないだろうな
犯人が心療内科に通っていた人なら心身喪失で、正常な判断が出来なかったとして減刑や無罪になるよね
罪を犯すときには誰も精神的におかしくなっている
精神疾患だから刑が軽くなるのではなく、罪の重さで判断してほしい
西澤弘太郎院長の父親は取材に対して「事件前に何らかのトラブルがあったと相談を受け、そのことも警察にすべて伝えた」と話している
患者側の逆恨みだとしたらひどすぎる
何らかの逆恨みによるかも。
患者の中には、診察などに不満を持つ人がいるし、心療内科の先生方の中には、環境に応じて防刀チョッキを着用している人もいる
西澤弘太郎医師の父親が「何らかのトラブルがあった」と言われていますが、心療内科・精神科の医師にかかわらずどんな職種でもトラブルに巻き込まれることはありえます。
やはり「精神疾患がある人が犯罪者になりやすい」という世間のイメージは大きいということがわかります。
また、世間の怒りは「精神疾患だから減刑や無罪になるのはおかしい」という方向に向かっています。
「正常な判断能力がなかった」という理由で、どんなにむごいことをしても極刑を逃れるのは、許しがたく、遺族にしてみれば、理不尽極まりないことでしょう。
世間の声にもあるように「罪の重さ」で刑罰を与えてほしいと思います。
追記:「働く人の西梅田こころとからだのクリニック」の院長、 西澤弘太郎医師の死亡が確認されました。ご冥福をお祈り申し上げます。
谷本盛雄のFacebookを調査「仲間に入れてもらえない」大阪北新地ビル火災
大阪北新地ビル火災の現場
火災があった場所を調査しました。
大阪府大阪市北区 曽根崎新地1丁目3-17
堂島北ビル
雑居ビルでの放火殺人事件は他にも、京アニ放火殺人前には戦後最悪の放火殺人といわれた「大阪個室ビデオ店放火事件」があります。
犯人の動機は「生きていくのが嫌になった」「他人を巻き込んでもかまわないと思いつつライターで店内のティッシュペーパーに火をつけ、持ってきたキャリーバッグの荷物に燃え移らせた」と極めて身勝手なものです。
今回の大阪北新地ビル火災の放火犯の動機はなんであれ、多くの命を奪った罪は大きいものです。
放火犯は自分も死ぬ危険があるにもかかわらず、放火をしたということは、大阪個室ビデオ店放火事件の犯人と同様に、「生きていくのが嫌になった」「他人を巻き込んでもかまわないと思った」という動機の可能性があるでしょう。
犯人の生存は未だに不明です。
既に死んでいたら、遺族の無念が晴らせなくなり、また、生きていて極刑になったとしても、亡くなった人達の命はもどることがありません。
今回の痛ましい放火事件は、京都アニメーション放火殺人事件と同じように、多くの人々が犠牲になり、日本中が衝撃と悲しみに包まれた事件になりました。
亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。
大阪北新地ビル火災「一酸化炭素中毒の怖さ」
大阪北新地ビル火災の被害者は、ほとんどが熱傷ではなく、一酸化炭素中毒だということです。
一酸化炭素中毒とは、どのくらい恐ろしいものなのでしょうか。
一酸化炭素は無色無臭で、吸い込むと血液による酸素の運搬が阻害される。濃度によるが、一酸化炭素を吸うと、軽度では頭痛、吐き気、めまい、中~重度では、けいれんなどが起こる。重度だと多くの場合、死に至る。
空気中の一酸化炭素濃度が0.5~1%では、1~2分で死亡するとされる。
一酸化炭素中毒の怖さはわかりましたが、では私たちは、もしもの時はどのようにすれば防ぐことが出来るのでしょうか。
「火災 一酸化炭素中毒対策」で調べてみました。
火災発生時に一酸化炭素中毒に陥る事態を防ぐために避難する際は、主に以下の工夫をした状態で安全な場所へ向かうと良いでしょう。
1.ぬれたタオルやハンカチを口に当てて離さない
2.大きく呼吸はせず、少しずつ呼吸をする
3.決して走らずに移動する
4.なるべく姿勢を低くした状態で避難するなど
これまで、学校や会社の避難訓練、防火学習などで、聞いたことのある内容ですが、これを頭に置いておくのは大事だと思います。
しかし、今回のようなケースでは
- 安全な場所へ避難する→出入り口で出火した為に唯一の逃げ口を塞がれて、安全な場所(階段?)までたどり着けなかった。
- ぬれたタオルやハンカチを口に当てて離さない→そのような余裕はなかった。ハンカチを口に当てるくらいはしたかもしれないが。
- 大きく呼吸はせず、少しずつ呼吸する→相当パニックになっていたと思うので、そのような余裕はなかった。
- 決して走らずに移動する→一目散に逃げたい、という衝動で走ってしまう。但し、今回は逃げる場所がないので走ることも出来なかったか。
- なるべく姿勢を低くした状態で避難するなど→これもパニックになってしまい、難しい。そもそも非難できる場所がなかった。
- 追記:煙対策。もし不幸にして火災に遭遇してしまった場合、ビニール袋を口にあてて、袋の中で呼吸する。これで数分は持ちこたえられるので、逃げるための時間稼ぎに有効。 不測の事態に備えて、ビニール袋を折りたたんで持ち歩くと良い
一般的な防火対策や、防火設備は、今回のような「避難経路(今回の場合、階段)ガソリンなどを使って放火される」ということは想定されていない仕組みになっています。
そして、今回の被害者の方達は、逃げ場所もないとわかり、恐怖と絶望の中で一酸化炭素中毒によって意識がもうろうとして心肺停止状態に至ってしまいました。
昨今、新幹線や電車内などの逃げ場のない密室の犯罪が増えています。
一般的な防災や防火ではなく、「最悪」の場合を想定して、危機管理を徹底していかなければなりません。
全ての場所での持ち物検査、全ての建物の防犯・防火対策、一足飛びには難しいですが、全ての場所で安心できる生活が送れるようになりたいものです。
谷本盛雄のFacebookを調査「仲間に入れてもらえない」大阪北新地ビル火災
大阪北新地ビル火災の概要
- 2021年12月17日午前、大阪・北区の繁華街のビルで火災が発生
- 28人が心肺停止状態で救助され、3人は心肺が蘇生、24人は死亡
- 警察は現場の状況から、放火の疑いがあるとみて捜査している
- ほかの4人は搬送時に意識はなく、もう1人は軽傷
- 火をつけたのはクリニックに通っていた61歳の男とみられる
- 男が持ってきた紙袋を蹴り倒し、袋から液体が漏れ出して燃え上がるのが目撃されている
- 男の容体はかなり危険な状態
- 男の自宅では、30分ほど前に放火によるとみられるぼやがあったということで、警察と消防は自宅でも現場検証を行っている
コメント
[…] 大阪火災と京アニ放火殺人事件の類似「逆恨みかビル管理ずさんか」 […]